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Japan, 530-0047

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《過去の展覧会2015年》

□  2015年2月9日(月)→2月21日(土) 平成26年度咲くやこの花賞受賞記念 瀧 弘子「赤い地質」展

□  2015年3月21日(土)→4月11日(土) アガット・ド・バイヤンクール「FROM HILLS TO HERE」展 

□  2015年5月9日(土)→5月30日(土) 桑島秀樹「Tone Scape」展

□  2015年10月17日(土)→11月21日(土) 上須元徳 「Landscape」展

□  2015年12月5日(土)→12月26日(土) 岡本梨江 「表裏の部屋」展


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□ 平成26年度咲くやこの花賞受賞記念 瀧 弘子「赤い地質」展
2015年2月9日(月)~2月21日(土)



■ 展覧会名 平成26年度咲くやこの花賞受賞記念 瀧 弘子「赤い地質」展

■ 出品作家  瀧 弘子

■ 会 期:2015年2月9日(月)~ 2月21日(土)
  閉廊日:2月15日(日)のみ休廊
  開廊時間:12:00~19:00

■ 会  場 YOD Gallery
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  www.yodgallery.com info@yodgallery.com

■ 9日(月)から14日(土)公開制作 YOD Galleryにて


■ お問い合わせ
  YOD Gallery 石上良太郎
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  E-mail: info@yodgallery.com
  ※画像データなどご希望の方はお気軽にお問い合わせください。



□ 趣旨

 このたび YOD Gallery では、瀧弘子(TAKI HIROKO,b.1988)の平成26年度咲くやこの花賞受賞記念展として「赤い地質」展を開催いたします。昨年4月の弊廊における初個展以来、2度目の展示となります。

 瀧弘子は自分自身の姿や成り立ちを探求することを制作過程とし、そこでの発見を自らの表現の材料として作品を発表してきました。今展では瀧の作品に度々登場する「赤」を自身の肉体や内在する感覚に投影することで、その色の持つ意味を改めて模索し、発表する展示内容となっています。

 瀧は、「赤」とは自分自身の血の色であり、肉の色でもあり、それは現在の自分の体に過去から引き継がれたものが存在する証だと言います。昨年秋の木津川アート2014で発表された作品「地をなぞる」は、一反の長く赤い布をまとい、木津川を下るパフォーマンスを収録した作品ですが、その中でも「赤」は強い存在感を示しており、川をなぞるように下って歩く姿は、まさにその「土地」を体感し、赤い肉体を通してその感触を表現する作品だったと言えるでしょう。また、同展の会期中展示会場にはこの記録映像作品だけでなく、衣装である赤い布が地面を埋め尽くす小石に埋められた状態で展示され、過去に存在した自分や、その土地に根付いた過去を掘り起こして発掘するような、その土地にまつわるおとぎ話に自分を投影させ、そこに自分をたらしめるもの、すなわち、両者のアイデンティティーを模索する制作の姿勢が見られる展示でした。
 
 今展覧会では、更にその赤い肉体に迫り、写真によって瀧の体からある空間が生み出されたかのような抽象的とも言える作品「赤い地質」を発表いたします。拡大された「地肌」は、黒い背景との対比により見る側に延々と広がる宇宙空間やその中にある惑星のようなものを想像させます。この赤い肌は2012年に発表した「ベンテンヤ」で初めて用いられ、自分の血や肉体が自分と祖先をつなぐ要素として存在することを意識しており、今作品は同じ概念の中、更なる進化を遂げています。2013年の「さんずい」、2014年の「にくづき」では自分の苗字である「瀧」と言う漢字を自らの体の造形から探し出すという作品でしたが、今作品は具体的な何かを見つけるのではなく、撮影された「地肌」、すなわち「地」を通してその内側に存在する「質」を見る側の想像によって掘り起こし発見すると言った、鑑賞者に解釈をゆだねた新たな可能性をもつ作品と言えるでしょう。

 また、今展では2月9日(月)から14日(土)まで瀧自身による公開制作を発表いたします。贈呈式が開催される中之島公会堂と言えば赤レンガの建築ですが、そういった観点からも今展は赤を意識した制作を考えており、更に進化した瀧弘子の世界観が詰まった今展を、ぜひこの機会にご高覧賜りますようよろしくお願い申し上げます。




□ 瀧 弘子(TAKI HIROKO)プロフィール

1988 大阪生まれ
2012 成安造形大学構想表現クラス卒業

[受賞歴]
平成26年度咲くやこの花賞・美術部門(現代美術)

[個展]
2012 「女-Rise」、KUNST ARZT、京都
2013 「内包する解放」、garerie weissraum、京都
2014 「後ろ髪引かれる」、YOD Gallery、大阪

[主なグループ展]
2007 「TAKO足展」、名村造船場跡地、大阪
        「芦屋市展」、芦屋市美術館、兵庫
2008 「TAKO足展vol.2」、81LAB、大阪
2013 「Art Shower 2013 -summer-」、海岸通ギャラリーCASO、大阪
        「Art Shower 2013 -summer-」、参加作家による展覧会、海岸通ギャラリーCASO、大阪
2014 「パイロットプラントドローイング展」、CAS、大阪
        「add me !! 」、KEPCO、韓国
    「シブカル祭。2014」、PARCO、東京
    「木津川アート 2014」、木津川市、京都

 
*作品上から
「地をなぞる」、2014年、
 赤い布(50m)砂利、ビデオドキュメント、38分33秒、撮影:滝本章雄

「面衣」、2014年、
 キヌガワストレッチフォルム・クランプ・ゴム・額・木製パネル、
 株式会社キヌガワ京都協力作品

「一張羅」、2013年、
 500×150cm 奥行き可変、伸縮性生地(あか)・ロープ・はと目・金具・身体




□ アガット・ド・バイヤンクール「FROM HILLS TO HERE」展
2015年3月21日(土)~4月11日(土)



■ 展覧会名 アガット・ド・バイヤンクール「FROM HILLS TO HERE」展

■ 出品作家  アガット・ド・バイヤンクール (Agathe de Bailliencourt)

■ 会 期:2015年3月21日(土)~ 4月11日(土)
  閉廊日:日・月曜日
  開廊時間:12:00~19:00

■ 会  場 YOD Gallery
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  www.yodgallery.com info@yodgallery.com

■ お問い合わせ
  YOD Gallery 石上良太郎
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  E-mail: info@yodgallery.com
  ※画像データなどご希望の方はお気軽にお問い合わせください。



□ 趣旨

 このたびYOD Galleryでは、世界各国の企画展にも多く招待され精力的な発表を続けている、ベルリン在住のフランス人女性作家、アガット・ド・バイヤンクール(Agathe de Bailliencourt, b.1974)の個展を開催いたします。弊廊では、2009年以来二回目の個展となり、2009年「六本木アートナイト」、「No Man’s Land(フランス大使館、東京)」やアートフェア等、日本でも多くの場所で発表しております。

 バイヤンクールは、私達を取り囲む現実の空間に、たとえば平原や建築物などの中に描く、別の空間の存在を視覚的に認識させるサイトスペシフィックなインスタレーションワークを数多く手がけております。それと平行し、キャンバス、麻、紙のような平面においても、具体的なイメージは排除され、自らの感性のみがフィルターとなって描かれる抽象的な絵画表現を用いながらドローイングやペインティングを制作しています。

 特に、今回展示するドローイングに関しては、一見シンプルな風景画のようですが、その線は実は文字であり、画面全体が文字によって構成されていることに気づかされます。こういった、連続してある文字を書き続けることの意味、またそこに書かれた文字から構成される風景との関係性は一連の作品の中でもっとも魅力的な部分であり、抽象的な表現の中に具体的な感情を示唆するものとして大きな役割があると言えるでしょう。

 バイヤンクールは、2014年11月にフランス大使館の支援によりBEPPU PROJECTの一環である「Kashima Beppu artist in Residence」に招待され、12月に福岡にあるアンスティチュ・フランセ九州内のギャラリーにて個展が開催されました。この会場で2012年から2014年に制作されたドローイング作品が発表され、今回のYOD Galleryでの個展では同作品を一同に展示いたします。ぜひご高覧賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。




□ アガット・ド・バイヤンクール(Agathe de Bailliencourt) プロフィール

1974年、パリに生まれる。現在はベルリンを拠点に活動。偶然性を生かした、プロセスの痕跡を強く残す作風が特徴。
平面作品を中心に空間インスタレーションも多く手掛ける。シンガポールビエンナーレでのオフィシャルアートワーク(2006年)やベルリンのHugo Bossでの空間ドローイング(2008年)、コム・デ・ギャルソンとのコラボレーション(2004年)など、国際的に活躍する気鋭のアーティスト。

[個展]
2014 「山を横切って」,アンスティチュ・フランセ九州, 福岡
    "Water, Colour, Recordings", Art Plural Gallery, シンガポール
    RH Contemporary Art, ニューヨーク
    "Hues of Time", Marfa Contemporary, Marfa, テキサス
2013 "Sheer", Benrimon Contemporary, ニューヨーク
    "Eintritt", General Hardware Contemporary, トロント
2011 "Word and Wilderness", Studio Krimm, ベルリン
2010 "Expressway to your Skull", Lu Magnus, ニューヨーク
2009 "Haut les cœurs!", Galerie Catherine & André Hug, パリ
    "My so-called life (in Japan)", YOD Gallery, 大阪
2008 "My so-called life", Galerie Catherine & André Hug, パリ
    "Occupation à 6", Hugo Boss Exhibition Space, ベルリン
2007 "Urban 64", Taksu Gallery, シンガポール
2006 "Tanglin", Galerie Catherine & André Hug, パリ
    "J’aime - J’aime pas",Taksu Gallery, シンガポール
2005 "J'aime - j'aime pas Wall", Comme des Garçons Guerilla Store+65, シンガポール

[レジデンス]
2014 11月 Beppu Project, 九州 - 在日フランス大使館の支援による
2013-14  Marfa Contemporary, Marfa, テキサス
2012    Art Omi, Ghent, ニューヨーク
2011-12 Artist-in-Residence, Workspace, Lower Manhattan Cultural Council (LMCC), ニューヨーク
2009    トーキョーワンダーサイト, 東京 - 在日フランス大使館の支援による
2007    French Cultural Center, ジョグジャカルタ - 在インドネシアフランス大使館の支援による

 
*作品上から
"We change 13"、 2014年
24 x 32 cm、インク・紙

"Je m'en fous- paysage 44"、 2012年
92,5 x 120 cm、インク・紙

"Je m'en fous- paysage 46"、 2012年
132 x 92,5 cm、インク・紙




□ 桑島 秀樹 「Tone Scape」 展
2015年5月9日(土)~5月30日(土)






■ 展覧会名 桑島 秀樹 「Tone Scape」 展

■ 出品作家  桑島 秀樹

■ 会 期:2015年5月9日(土)~ 5月30日(土)
  閉廊日:日・月曜日
  開廊時間:12:00~19:00

■ 会  場 YOD Gallery
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  www.yodgallery.com info@yodgallery.com

■ 5月9日(土)18:00~ レセプションパーティー
  YOD Galleryにて

■ お問い合わせ
  YOD Gallery 松浦麻基
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  E-mail: info@yodgallery.com
  ※画像データなどご希望の方はお気軽にお問い合わせください。



□ 趣旨

 このたび YOD Galleryでは、写真家、桑島秀樹の個展「Tone Scape」を開催いたします。2012年の弊廊における初個展以来2度目の展示となります。

 桑島は、綿密に構成されたガラスの透明感を生かし、光と影の多層レイヤーを映し出した作品群で知られていますが、今回の展示では京都と大阪の街を被写体としており、風景を撮るという新たな試みを行っています。生まれ育った大阪と昨年から生活の身を移した京都の街の風景とカメラを通して対峙してみることで、どのようにそこから作品を生み出すのかという考察を行っています。

 二種類の違うフィルムを使い、作品によっては何度もデュープ(フィルム複製)作業を行いながら、白黒の階調を調節していくという時間のかかるアナログの技法で作品を生み出していることも注目するべき点でしょう。なぜ、今回はデジタルではなくアナログの手法を採用したのでしょうか。桑島はデジタル写真が当たり前のように使われている近年において、どういった技法で、またなぜその媒介を通して表現していくのかということについて、もう一度立ち止まって吟味し直す態度を示しています。また、今回の制作においてアナログの手法が使われた一つの理由として、撮影されたネガを解体、また新たに構築していく非常に手間のかかる工程によって、作品のイメージをくみ上げる時間を生み出すことが重要だったからです。風景が映し出されたネガの解体と再構築の中で、新たに作り上げられた「造景」からは桑島の厳密なコントロールを感じとることができ、これは従来の桑島作品に通じる複雑で密度の高い構成力の表出と言えるでしょう。ぜひこの機会にご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 

Tone Scape”

普段カメラを持ち歩かない私の場合、撮影という目的が自らにしっかりと備われば何気ない風景はとたんに一変する。

眼前の事柄を四角い小さな枠を通して「見たもの」としての過去をフィルムに収め、次の角を曲がる時に見えるであろうその有様に心を躍らせ、視覚的な過去と未来を往来した。

そしてその断片が羅列されたネガ像を一枚ずつ解体し、次の未来像を模索するかの様にそれらを繋ぎ合わせ、新たに再構築するといった作業を実験さながらに繰り返した。

今作は記録された風景の時間軸そのものを僅かに、または大きく歪曲させた私にしか知り得ない「造景」としての極めて主観的な景色である。 


桑島秀樹




□ 桑島 秀樹 (Hideki Kuwajima プロフィール

1964 大阪に生まれる
1989 日本写真専門学校卒

〈受賞歴〉
1999 「エプソンカラーイメージングコンテスト」、審査委員賞
    「APA日本広告写 真家協会 APA2000」、グランプリ
1996 「JACA日本ビジュアルアート展」、特別 賞
1993 「パルコアーバナート#2」、佳作

〈個展〉
2012 「TTL」YOD Gallery、大阪
2011 「The World - Vertical / Horizontal - TTL」スパイラル、東京
    「TTL」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京
    「Parallax - 内在する視差 -」The Third Gallery AYA、大阪
2010 ART OSAKA 2010 (堂島ホテル)、大阪
2008 「Vertical / Horizontal」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京
2004 レントゲンヴェルケ、東京
2002 ペーパーヴォイスギャラリー、大阪
    Limギャラリー、大阪
2000 保加梨ファインアート、東京
1999 Y's Bash、名古屋

〈主なグループ展〉
2013 「monochrome IX」Gallery EM、東京
2012 「monochrome VI」Gallery EM、東京
    「蠱惑~巧術其之参」スパイラル、東京
    「巧術2.52」六本木ヒルズA/Dギャラリー、東京
    「DGSM Print、7人の写 真家展」、Gallery EM、東京
2011 「手練~巧術其之貳」スパイラル、東京
2010 「巧術」スパイラル、東京
2009 「掌9」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京
2008 「Landshaft IV」ラディウム-レントゲンヴェルケ、東京
2004 「レントゲニア」、レントゲンヴェルケ、東京
2003-04 「108」、イセファウンデーション、ニューヨーク
2003 「MONO」、レントゲンヴェルケ、東京
    「強制再起動」、レントゲンヴェルケ、東京
    「The Moning Glory」、パサージュ・ドゥ・デシール、パリ
2001 「STAY WITH ART~眺めの良い部屋~大阪」、Hotel T'Point、大阪
1996 「JACA日本ビジュアルアート展」、伊勢丹美術館、 東京
1993 「パルコアーバナート#2」、パルコギャラリー、 東京他

〈その他〉
2009 「梅鉢茶会」金沢21世紀美術館、石川
2008 「Equal」メゾンエルメス(ウィンドーディスプレイ)、東京


 
*作品上から
"Tone Scape 01"、 2015年
530 x 193 mm、Film Based Photography

"Tone Scape 05"、 2015年
533 x 174 mm、Film Based Photography











□ 上須 元徳 「Landscape」 展
2015年10月17日(土)~11月21日(土)






■ 展覧会名 上須 元徳 「Landscape」 展

■ 出品作家  上須 元徳

■ 会 期:2015年10月17日(土)~ 11月21日(土)
  閉廊日:10月25日(土)~11月4日(水)
      日・月曜日
  開廊時間:12:00~19:00

■ 会  場 YOD Gallery
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  www.yodgallery.com info@yodgallery.com

■ 10月17日(土)18:00~ レセプションパーティー
  YOD Galleryにて

■ お問い合わせ
  YOD Gallery 松浦麻基
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  E-mail: info@yodgallery.com
  ※画像データなどご希望の方はお気軽にお問い合わせください。



□ 趣旨

 このたびYOD Galleryでは、弊廊では2011年以来二度目の展示となります上須元徳 (Motonori Uwasu, b.1975)の個展「Landscape」を開催いたします。上須はこれまで、生まれ育った大阪の日常的な風景などを題材とした絵画制作に取り組んできました。今回の展覧会では、香港の風景を対象に高層マンションや川辺の景色を描いた迫力あるモノトーンの大作を展示いたします。

 これまで上須は、現実の風景などをモチーフに緻密な描写と際立つ陰影を生かした作品を制作してきましたが、そこには独自の手法とコンセプトが使われています。上須は、風景をただ写実的に描写するのではなく、対象の要素を解体し、それをまた組み立てるかのように描きあげます。上須は選び取った風景を、自らの経験や知識をはぎ取るかのように脱構築し、自分との距離をおいたものとして新たな像を作り上げていきます。

 余分なものを省いていく作業、時には看板や文字を削ぎ落したり、例えばストロークの跡を残さないようにすることや、細かいレベルでのトーンの統一化などが、無機的な印象を生み出すのかもしれません。しかし上須の作品は淡々とした様相を装いながらも、観者のそれぞれの記憶や経験に結びつくような任意的な多義性を備えているように見えます。それは、観者ぞれぞれの想像力を持って意味を生成することの余白が大きく残されているからなのかもしれません。今回の展覧会では、香港という異国のビルの喧騒の中に、上須が大阪との類似性を感じながら描いた迫力ある大画面に包まれると同時に、作品に対峙する者の個別の景色を浮かび上がらせる作品の力を感じられるでしょう。ぜひこの機会にご高覧賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。


 

Landscape

私たちはそれぞれの知識や経験、先入観や価値観により風景を選び、あるいは見過ごします。
もちろん、私の選ぶ風景もそれらに基づいているといえます。
何かの象徴的な建築物や風景も、その歴史的背景を知らなければ何も感じず、見落としてしまうこともあります。
また、ごみのように見えるものでも、誰かにとっては大切なものなのかもしれません。
あるいはただのきれいなごみかもしれません。
そう考えると、すべては等価なものであるということもできます。
私は選んだ風景から、自身の手垢(知識や経験、先入観や価値観)を拭い去るために、風景を無数の色面に分解、解体し、
時には色彩を削除し、時間をかけ順序立てて再構築します。
そうして再度現れた風景は私から離れ、等価なものに近づくものと考えます。 


上須元徳




□ 上須 元徳 (Motonori Uwasu プロフィール

1975  大阪府生まれ 
1999  大阪芸術大学芸術学部美術学科卒業

個展
2011 RE:Assemble / YOD gallery,大阪
    Solo Exhibition, Fine Art Asia 2011(YOD Galleryより)
    / Hong Kong Convention and Exhibition Cenre,香港
2009 Portrait in Landscape / GALLERY wks.,大阪
2007 monochronicle / space gallery roundish,大阪
2006 monochronicle / GALLERY wks.,大阪

主なグループ展
2014 silentscape / GALLERY wks.,大阪
2012 Photography by a paintbrush / State-Of-The-Arts-Gallery,香港
2010 OSAKA ART NOW / ヒルサイドテラス,東京
2009 gallerism / 大阪府立現代美術センター,大阪
ART SPACE ZERO-ONE オープニング展 / ART SPACE ZERO-ONE,大阪
2007 YOUNG JAPANESE LANDSCAPE / Museum of Young Art,ウィーン,オーストリア
2006 Tank of Mind / GALLERY wks.,大阪

コレクション
Harbour City, 香港


 
*作品上から
"Untitled"、 2015年
1940 x 1303 mm、Acrylic on canvas

"Untitled"、 2013年
970 x 1940 mm、Acrylic on canvas












□ 岡本梨江 「表裏の部屋」展
2015年12月5日(土)~12月26日(土)






■ 展覧会名 岡本 梨江 「表裏の部屋」 展

■ 出品作家  岡本 梨江

■ 会 期:2015年12月5日(土)~ 12月26日(土)
  閉廊日:日・月曜日
  開廊時間:12:00~19:00

■ 会  場 YOD Gallery
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  www.yodgallery.com info@yodgallery.com

■ 12月26日(土)18:00~ クロージングパーティー
  YOD Galleryにて

■ お問い合わせ
  YOD Gallery 松浦麻基
  530-0047 大阪市北区西天満4-9-15  TEL/FAX 06-6364-0775
  E-mail: info@yodgallery.com
  ※画像データなどご希望の方はお気軽にお問い合わせください。



□ 趣旨

 このたび YOD Gallery では、弊廊では初めての展示となる岡本梨江(RIE OKAMOTO,b.1982)の個展、「表裏の部屋」を開催いたします。

 岡本は多摩美術大学卒業後、東京芸術大学大学院油画専攻を修了し、奈良に戻ってからグラフィカルで多彩な抽象平面作品の制作を本格的に始め、2014年にはスペインのレジデンスでの滞在制作を発表し、鑑賞者の知覚や意識に揺さぶりをかけるようなインスタレーションや平面作品を制作し続けています。今展では、家をモチーフに、物事の表裏を静かに浮き上がらせるようなインスタレーション作品と平面作品を展示いたします。

 暗い空間の中に吊るされた家の形を模した多数のアクリルフレームが、中に入り組んだり角度を変えながらゆっくりと動き、それが作り出すゆらゆらと揺れる影は、浮遊感と不確定さを見る者に印象づけます。また、カラスや暗い池のイメージが使われた平面作品は、一般的に家が象徴するような安心や温かさというものとは相反するものを感じさせます。岡本は、人が生きる上で重要な場所である家は、生と死が同居しているような場であると考えており、また外側からは分からない家の内実についても意識を向けます。こういった二面性に焦点を当て、物事の表裏をそっと浮き彫りにし、普段の感覚や意識に疑問や別の視点を促すような空間を作り上げています。作品の持つ軽さ、そして質量感のなさは、家にまつわる凡庸なイメージとは逆の、冷たさや不安定感を見る者に与えるかもしれません。しかし、暗闇の中を照らす一点の光とそれが照らし出す光景が、作品の持つ鋭い批評の視点にどこか希望を見出す意志を付与しているようにも見えます。今展は、岡本が学校で教える立場に携わってからの心境の変化を通して、これまでの作品とは少し違ったアプローチで鑑賞者を普段と違う世界に引き込むような展示となっております。ぜひこの機会にご高覧賜りますようよろしくお願い申し上げます。



 

表裏の部屋

私にとって「家」は極めて日常的で、多くの人にとっても生きていく限り、それは切っても切り離せない場所である。
「家」は 相反する様々な事柄を内包しているように思う。例えば「安心」と「不安」、「希望」と「絶望」、「生」と「死」など、真逆の事が同居しているのではないだろうか。
表にはいつも裏側が存在していて常に一体なのだから、それは怖いものではない。
裏がなければ表は存在しないのである。 


岡本 梨江




□ 岡本 梨江 (Rie Okamoto) プロフィール

1982  奈良県生まれ 
2006  多摩美術大学美術学部絵画学科油画専攻 卒業
2008 東京芸術大学美術研究科第5研究室 修了

〈展覧会〉
2005 シェル美術賞 入選
2007 サスティナブルアートプロジェクト 参加
2008 東京芸術大学美術研究科修了展
2010 グループ展「えっぽい」 トキ・アートスペース(東京)
2013 アーティストインレジデンス(スペイン カディス)「Translucent Reality」ECCO NAVE13,「Big Blue Lie」ECCO Hall
2014 個展 喜多美術館(奈良)
    個展 「ゆらぐ」 アンスティチュ・フランセ九州 (福岡)
    木津川アート2014「まち—百年の邂逅—」(京都)



 
*作品画像
"表裏の家" 2015年
Acrylic frame
















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